今回はこれら4つの用法の基本的な構造について理解しましょう。
仮定法について
仮定法とは
仮定法は受験英語などでよく出題されます。
あることがらを事実としてではなく「もし~だったら」と表現する際に用いるのが仮定法です。
仮定法過去、仮定法過去完了がよく用いられますが、仮定法未来、仮定法現在と呼ばれている用法もあります。
下記のように仮定する内容により用法が異なるのですが、なにを仮定しているのかを理解するようにしましょう。
仮定法過去完了(過去のことを仮定)
仮定法未来(実現性の低いことを仮定)
仮定法現在(これからのことを仮定)
今回は、これらの基本構造についてみていきましょう。
仮定法過去:現在の事実とは反対のことを仮定
仮定法過去は、「If ~ 過去形 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.」という形になります。
仮定法過去では、現在の事実とは反対の事を仮定する際に用います。
現在の事実と反対のことを仮定するために、過去形を用います。
仮定法を見極めるポイントは、助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。
次の例文を見てください。
<例文1>
If I had enough money, I could buy it.
⇒ I don’t have enough money, so I can’t buy it.
もしお金があったら、それを買うことができるのに。
⇒ 実際にはお金がないから買うことができない。
<例文1>では、実際にはお金がないから買うことができないことを「もしお金があったら」と仮定しています。
仮定法がでてきたら、実際は逆のことが起こっているということを意識しましょう。
If ~ 過去形 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.
仮定法過去完了:過去の事実とは反対のことを仮定
仮定法過去完了は、「If ~ had + 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + have + 過去分詞.」という形になります。
仮定法過去完了は、過去の事実とは反対のことを仮定する際に用います。
現在の事実と反対のことを仮定する際に過去形を用いたため、過去の事実と反対のことを勝てする場合は完了形を用います。
こちらも、助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。
<例文2>
If I had had enough money, I could have bought it.
⇒ I didn’t have enough money, so I ccouldn’t buy it.
もしお金があったら、それを買うことができたのに。
⇒ 実際にはお金がなかったから買うことができなかった。
<例文2>では、実際にはお金がなかったから買うことができなかったことを「もしあの時お金があったらなぁ」と仮定しています。
仮定法がでてきたら、実際は逆のことが起こっているということを意識しましょう。
If ~ had + 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + have + 過去分詞.
混合型:仮定法過去完了+仮定法過去
仮定法過去と仮定法過去完了を混合して、「過去」にこうだったら「現在」こうなのにという表現をすることもあります。
その場合は、「If ~ had + 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.」の形になります。
<例文3>
If I had not followed your advice, I would not be happy now.
⇒ AS I followed your advice, I’m happy now.
あなたの助言に従っていなかったら、今幸せではないでしょう。
⇒ 実際にはあなたの助言に従ったので、今幸せです。
<例文3>の前半では、「過去に助言に従っていなかったら」と過去の事実と反対のことを仮定しています。
それに対して後半で、「今幸せではなかった」と現在の事実とは反対のことを言っています。
「If ~ had + 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.」
仮定法未来:話し手が起こらないと考えている事を仮定
仮定法未来の形は、「If ~ were to + 動詞の原形, ~ 助動詞の過去形 動詞の原形.」または「If ~ should + 動詞の原形, ~ 助動詞の過去形 動詞の原形.」という形になります。
仮定法未来は、実現性の低いことを仮定する際に用います。
<例文5>
(1) If the teacher were to know that, he would get angry.
(ないと思うけど)先生がそのことを知ったら、怒るだろうね。
(2) If it should rain tomorrow, we should stay at home.
(ないと思うけど)明日雨だったら、家にいるべきです。
<例文5>(1)では、この文章を書いている(または話している)人は「先生がそのことを知ることはないだろう」と考えています。
(2)でも、「明日雨が降ることはないだろう」と考えています。
どちらも助動詞の過去形が見極めのポイントになります。
助動詞の過去形を見たら仮定法を疑うことを意識してください。
If ~ were to + 動詞の原形, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.
If ~ should + 動詞の原形, ~ 助動詞の過去形 + 動詞の原形.
仮定法現在:これから起こることを仮定
仮定法現在は、「S + 提案・要求・希望などを表す動詞 + that S’ + (should) + 動詞の原形」または「It is 要求・必要・願望などを表す形容詞 that S’ + (should) + 動詞の原形」という形になります。
ポイントになるのは、提案・要求・希望などを表す動詞(ask, insist, purpose, requestなど)と、要求・必要・願望などを表す形容詞(desirable, essential, necessaryなど)です。
これらの動詞がthat節を目的語にとる場合や、形容詞の真Sがthat節であるときは、that節内の動詞は「shoud+動詞の原形」になります。
まだ実際にはそうなっていない事を要求したり必要とするのでshouldを用いた仮定法が用いられていると覚えてください。
イギリス英語ではshouldが用いられますが、省略されることが多いです。
<例文4>
(1) He suggests that she (should) go there.
(彼は彼女がそこに行くことを提案しています。)
(2) It is essential that he (should) be released immediately.
(彼が直ちに解放されることが不可欠なことです。)
<例文4>(1)ではsuggestという提案を表す動詞が用いられているので、that節はshould + 動詞の原形になります。
shouldが省略されたとき、go をgoesにしないように注意してください。
<例文4>(2)ではessentialという形容詞が用いられているので、that節はshould + 動詞の原形になります。
shouldが省略されたとき、beを用いることに気をつけてください。
S + 提案・要求・希望などを表す動詞 + that S’ + (should) + 動詞の原形
It is 要求・必要・願望などを表す形容詞 that S’ + (should) + 動詞の原形
まとめ
今回は、仮定法について解説しました。
仮定法では、仮定法過去、仮定法過去完了がよく用いられますが、仮定法未来、仮定法現在の用法もあります。
助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。
助動詞の過去形を見たら仮定法を疑う癖をつけてください。
仮定法の演習問題はこちら↓