英文法

【TOEICや受験英語で必須な比較】比較級を用いた比較についてわかりやすく解説

学生
学生
比較って何?
先生
先生
比較には、大きく分けて「原級」「比較級」「最上級」の3つあります。
今回は、比較の中の比較級ついて勉強してみましょう。
<この記事でわかること>

比較級について

比較とは

英語の比較は、大きく分けて形容詞や副詞の「原級」「比較級」「最上級」を用いる3つの文があります。
例えば、形容詞のgood、副詞のwellはどちらも比較級はbetterであり、最上級はbestになります。

比較級は、「後ろにerを付ける」もしくは「前にmoreをつける」形容詞(または副詞)が多いです。
しかし、「good, well」の比較級であるbetterのように不規則に変化する形容詞(または副詞)もあります。
不規則に変化する形容詞(または副詞)は覚えるしかありません。

これら、原級・比較級・最上級を用いた英文の基本構造は次のようになります。

中学生でも学ぶ内容であり、多くの人が知っている範囲かと思います。
しかし、いざ問題となると気づかなかったりします。
英文を読む際も訳すことはできるけど、上手く理解できていないところがあります。
今回は、比較級について見ていきましょう。

原級:as/so 形容詞(または副詞) as ~
比較級:形容詞(または副詞)の比較級 than ~
最上級:the 形容詞(または副詞)の最上級 of/in ~

比較級の基本構造

比較級は、「形容詞(または副詞)の比較級 than ~」の形で「~より・・・だ」という意味になります。

<例文1>
(1) This book is cheap.
  この本は安いです。
(2) That book is cheap.
  あの本は安いです。

<例文1>(1)(2)はそれぞれ、本が安い事を表しています。
これらの本のどちらが安いかを表すときに用いるのが比較級です。
比較級を用いて表したものが<例文2>になります。

<例文2>
This book is cheaper than that one.
この本はあの本より安いです。

では、どのように出来ているかを見ていきましょう。
比較級の作り方は次のようになります。

<比較級の作り方>

① 主語とする文の形容詞(副詞)を比較級にします。

② 比較する文にthanをつけて後ろにつなぎます。

③ 共通するものを省略する。

今回の問題では、本を比較しているので2回目のbookはoneに置き換えます。

差を表す比較級

比較級で差を表す際は、「差を表す語句 + 比較級 than B」または「比較級 than by 差を表す語句」の形になります。
この構造を用いたのが<例文3>になります。

<例文3>
This book is three dollars cheaper than that one.
=This book is cheaper than that one by three dollars.
この本はあの本より3ドル安いです。

<例文3>では、<例文2>とは異なりどれほど安いか(今回は3ドル)を表しています。

比較級の強調

比較級の強調と言われるとピンと来ないかもしれません。
ですので、まずは原級(形容詞の基本形)で考えてみましょう。

<例文4>
This book is cheap.
この本は安いです。

<例文4>では、形容詞(cheap)の原級が使われています。
これでは単純にこの本は安いですと言っているだけです。
これを、「この本ってめっちゃ安いんですよ!」と言いたいときにどうするでしょうか。

<例文5>
This book is very cheap.
この本はとても安いです。

<例文5>のようにveryをつけて「とても」と強調します。
これが原級の強調です。

では比較級でもveryを使えばいいのでしょうか。
残念ながらそうはいかないのです。

比較級の強調には次の語句を使います。

<比較級を強める語句>
much, a lot:だいぶ
far:ずっと
even, still:よりいっそう

強調の語句は、<例文6>のように比較級の前に置きます。

<例文6>
This book is much cheaper than that one.
この本は、あの本よりずっと安いです。

by farは最上級を強調する語句になりますので間違えないようにしてください。

The 比較級 S1 + V1, the 比較級 S2 + V2.

比較級の特殊な構文の1つとして「The 比較級 S1 + V1, the 比較級 S2 + V2.」の形で「S1がV1するほど、ますますS2はV2である」という意味になります。

<例文7>
The higher we went up, the colder it became.
高く登れば登るほど、だんだん寒くなった。

<例文7>は、元々「We went up high.」「It became cold.」の2つの文からできています。
元々どういった形の文であるかを考えることが比較級では大切なので、比較級をみたら一度元の文を考える癖をつけるようにしてください。

no more ~ than B = not ~ any more than B 「~でないのはBと同じだ」

比較級には、「~でないのはBと同じだ」という意味になるno more … than ~という表現があります。
しかしno more には、「~でない」のような否定の意味はなく「~である度合いを少しも上回っていない」という意味から「~でない」と訳すことになります。
<例文8>を見てください

<例文8>
A whale is no more a fish than a horse (is a fish).
クジラが魚である度合いは、馬が魚である度合いを少しも上回っていない。
⇒馬が魚でないのと同様、クジラは魚ではない。

<例文8>は次の2文から成り立っています。

<例文9>
(1) A whale is a fish.
クジラは魚です。
(2) A horse is a fish.
馬は魚です。

<例文9>(1)(2)の2つの文をを度合(程度)を表すmoreを用いて、「クジラと馬のそれぞれが魚である度合(程度)」を比較します。

<no more thanの成り立ち>

① 主語とする文の比較対象の前にmore、語尾にthanをつけ、その後ろに比較する文を置く。

② 共通するものを省略する。

no more … than ~の文では、thanの後ろには度合いが0%の内容がきます。
その0%の度合いをno moreで「少しも上回っていない」と表しています。
今回の文では、馬が魚であることは皆が違うとわかっていることであり、それよりもクジラが魚である度合いは少しも上回っていない、つまりありえないものであるという意味になります。
ですので、「馬が魚でないのと同様、クジラは魚ではない。」という訳になります。

no less … than ~ : 「~と同様・・・だ」

no more thanと同じように比較級には、「~と同様・・・だ」という意味になるo less … than ~という表現があります。
しかし、no less には同様という意味はなく「~である度合いを少しも下回っていない」という意味から「同様に」と訳すことになります。
<例文10>を見てください

<例文10>
A whale is no less a mammal than a horse (is a mammal).
クジラが哺乳類である度合いは、馬が哺乳類である度合いを少しも下回っていない。
⇒クジラは馬と同様哺乳類である。

<例文11>は次の2文から成り立っています。

<例文11>
(1) A whale is a mammal.
クジラは哺乳類です。
(2) A horse is a mammal.
馬は哺乳類です。

<例文11>(1)(2)の2つの文をを度合(程度)を表すlessを用いて、「クジラと馬のそれぞれが哺乳類である度合(程度)」を比較します。

<no less thanの成り立ち>

① 主語とする文の比較対象の前にless、語尾にthanをつけ、その後ろに比較する文を置く。

② 共通するものを省略する。

no less … than ~の文では、thanの後ろには度合いが100%の内容がきます。
その100%の度合いをno lessで「少しも下回っていない」と表しています。
今回の文では、馬が哺乳類であることは間違いのないことであり、それよりもクジラが哺乳類である度合いは少しも下回っていない、つまり間違いのないものであるという意味になります。
ですので、「クジラは馬と同様哺乳類です」という訳になります。

the 比較級 of the two

対象が2つの場合は比較級を、3つ以上の場合は最上級を用います。

<例文12>
(1) He is the tallest of the three.
彼は3人の中で最も背が高いです。
(2) He is the taller of the two.
彼は2人の背が高い方です。

<例文12>(1)は最上級の文で、最上級の前にtheがつきで、3人の中(of the tree)で最も背が高いと言っています。
一方(2) は比較級で、2人(of the two)の背が高い方だと言っています。
この形の場合、比較級でもthe をつけ後ろにofがきます。
最上級の形に似ていますが、比較しているのは2人なので比較級を用いることに注意してください。

to を使う比較級(senior, junior, superior, inferior)

形容詞の中には、<例文11>のようにthanではなくtoを用いる物があります。

<例文13>
He is superior to me in English.
彼は英語に関して私より優秀です。

これらについては、下の4つを覚えるようにしてください。

<比較級を強める語句>
・junior to:〜より年下である
・senior to:〜より年上である
・inferior to:〜より劣っている
・superior to:〜より優れている

まとめ

今回は、比較級について解説しました。
比較は、何と何が比較することが重要です。
訳すことで満足するのではなく、何と何がどう比較されてるのかを理解するように意識してください。

比較の演習問題はこちら↓

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