今回は、比較の中の原級比較ついて勉強してみましょう。
原級比較(as ・・・ as ~)について
比較とは
英語の比較は、大きく分けて形容詞や副詞の「原級」「比較級」「最上級」を用いる3つの文があります。
例えば、形容詞のgood、副詞のwellはどちらも比較級はbetterであり、最上級はbestになります。
これら、原級・比較級・最上級を用いた英文の基本構造は次のようになります。
中学生でも学ぶ内容であり、多くの人が知っている範囲かと思います。
しかし、いざ問題となると気づかなかったりします。
英文を読む際も訳すことはできるけど、上手く理解できていないところがあります。
今回は、原級比較について見ていきましょう。
比較級:形容詞(または副詞)の比較級 than ~
最上級:the 形容詞(または副詞)の最上級 of/in ~
原級比較の3つの基本構造
原級は、「as + 形容詞(副詞)の原級 + as ~」の形で「~と同じくらい」という意味になります。
この形は大きく分けて、「形容詞/副詞のみの比較」「形容詞+名詞の比較」「a 形容詞 名詞の比較 」の3つの形があります。
まずは、この3つを理解してください。
形容詞/副詞のみの比較
(1) Tom is tall.
Tomは背が高いです。
(2) Mike is tall.
Mikeは背が高いです。
<例文1>(1)(2)では、それぞれTomとMikeが背が高いことを表しています。
この2人が同じくらい高いことを表したの次の<例文2>になります。
Tom is as tall as Mike.
TomはMikeと同じくらいの背の高さです。
では、どのように出来ているかを見ていきましょう。
原級の作り方の基本は次のようになります。
① 主語とする文の形容詞(副詞)をas 原級 asにします。
② 比較する文を2つ目のasの後ろに置きます。
③ 共通するものを省略する。
この文を否定文にするときは、1つ目のasをsoにすることが多いです。
これが原級比較の基本構造になります。
否定文: not so 形容詞/副詞 as ~
形容詞+名詞の比較
<例文3>
(1) Tom has many books.
Tomはたくさんの本を持っています。
(2) Mike has many books.
Mikeはたくさんの本を持っています。
<例文3>(1)(2)では、それぞれTomとMikeがそれぞれたくさんの本を持っていることを表しています。
この2人が同じくらいたくさんの本を持っていることを表したの次の<例題4>になります。
Tom has as many books as Mike.
TomはMikeと同じくらいたくさんの本を持っています。
<例文4>も<例文2>と同じように作られます。
しかし、今回は比較するmanyはbooksを説明しているため、many booksで一つのかたまりとして扱います。
形容詞が名詞を修飾している場合は、「形容詞+名詞」を一つのかたまりとして扱います。
否定文:not so 形容詞+名詞 as~
as 形容詞 a 名詞 as ~
受験勉強だけでなくTOEICなどでも見かけるのが次の形です。
He has as big a bag as Mike.
TomはMikeと同じくらい大きなカバンを持っています。
こちらの文も基本的には作り方は同じです。
1点異なるのは、形容詞がbigの前にできています。
これは、asの品詞が「副詞」であるからです。
ここで、英語における形容詞と副詞の違いについて簡単に復習しましょう。
副詞:名詞以外を説明(修飾)
形容詞は名詞を修飾するので、名詞の直前に置くことができます。
一方、副詞は名詞を修飾することができません。
このことを踏まえて、<例文5>は以下のように作成されます。
まず、<例文2><例文4>と同じように① as a big as の形にして、比較する文をas の後ろに置き、共通部分を省略します。
そのうえで、副詞であるasは名詞(a big bag)を修飾することができないので、形容詞であるbigを前に出します。
こうしてできたのが<例文5>になります。
このように、「a 形容詞 名詞」の形になっている場合は注意してください。
否定文:not so 形容詞 a 名詞 as~
何倍かを比較する「- times as ・・・ as ~」
原級を用いる比較の文では、何倍であるかを表す「- times as ・・・ as ~」という表現があります。
Tom has three times(twice) as many books as his brother.
Tomは弟の3倍(2倍)の本を持っています。
<例文6>は、<例文4>のasの前にthree times(twice)が置かれています。
これにより、3倍(2倍)多いことを表しています。
なお、2倍を表現する際は「two times」よりも「twice」が用いられることがほとんどです。
not so much A as B = rather B than A
比較の文では、「~するよりむしろ・・・」といった表現がいくつかあります。
原級を用いる場合は、程度を表すmuchを用いて「not so much A as B」または「not A so much as B」の形があります。
He is not so much a sholar as a writer.
= He is not a scholar so much as a writer.
彼は学者というよりむしろ作家だ。
<例文7>では、He is a scholar.とHe is a writer.の2つの分が比較されています。
この際、度合(程度)を表すmuchを用いて、「scholarであるのと、writerであるのとの度合(程度)」を比較します。
① 主語とする文の語尾にas much asをつけ、その後ろに比較する文を置く。
② 共通するものを省略する。
この際、as muchの部分を比較対象の前に置くことがあります。
比較対象がわかりやすいためこの形で用いられることがよくあります。
こうしてできた文を否定文にしたものが、「not so much A as B」の文になります。
<例文7>では、「writerである度合いほどscholarである度合いは大きくない」という意味で「scholarというよりむしろ作家だ」という訳になります。
まとめ
今回は、原級比較について解説しました。
比較は、何と何が比較することが重要です。
訳すことで満足するのではなく、何と何がどう比較されてるのかを理解するように意識してください。
比較の演習問題はこちら↓