日々是英文解釈 No.5
大学入試問題やTOEIC等で出てくる英文をほぼ毎日1文ずつ解説していきます。
英語の学習において、「文法はある程度理解しているけど英文が読めない」ということはよくあります。
英文を読むためには、英文を読むための英文法の使い方を学ぶ必要があります。
また小学校や中学校では、英文を後ろから返って読むように教わったりします。
しかし、それでは時間がかかってしまいます。
基本的に、英文は前から一度読んで内容を理解できることが大事です。
前から読んで理解できるように、よくでてくる英文を毎日一文ずつ解説していきます。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の英文を訳しなさい。
Before then, hearing someone talk was exclusively a live experience.
この問題は、2019年の大阪大学の入試問題の一部です。
~ingの見極め
今回の問題を解くポイントは、~ingの見極め方です。
英文を読んでいて、~ingの形を見ない事の方が少ないです。
~ingを見つけた時に、考えるのは次の4つです。
- ~ing
1 進行形(be動詞が必要)
2 動名詞(文の要素になっている)
3 分詞(名詞を修飾するかCとして働く)
4 分詞構文(副詞節を作るので主文が必要)
それぞれの見極め方については、日々是英文解釈 No.2に書いてあります。
~ingの見極め方は。問題の難しさに関わらずよく出てくるのでしっかりと見極められるようにしましょう。
今回の問題の訳し方と解答
英文を読む上では以下の二つがまず大切です。
- 最初に出てきた名詞を主語として考える
- 前置詞のついた名詞は主語になれない
まずは主語を探すことを意識して読み進めます。
今回の問題では、Beforeという前置詞の後ろに副詞のthenが来ています。
thenは副詞ですが、前置詞の目的語として名詞的に用いることが出来ます。
Before thenは主語になることが出来ませんのでさらに読み進めます。
すると、次にhearingがきます。
hearingは、この段階で「動名詞」または「分詞構文」の可能性があります。
動名詞であれば次に動詞が、分詞構文であれば文が来るはずです。
この段階では、ひとまず動名詞と考えて読み進めます。
もし、読み進めて次に分詞が来たら戻って分詞構文として改めて読み進めます。
hearingが動名詞であれば、が最初の名詞であるので主語と考えま更に読み進めます。
この際、次に「動詞が来る」ことを意識しながら読み進めます。
読み進めると、someoneという名詞が来た後にtalkという動詞の原形が来ます。
talkには名詞もありますが、今回は「a(もしくはthe)」がないのでtalkを名詞として考えることができません。
ここで、hearは「知覚動詞」であることに気づきましょう。
知覚動詞については、(日々是英文法 No.3)[https://www.goodambition.biz/daily-english-grammar-3/]で扱いました。
知覚動詞の後ろは動詞の原形を用いることができます。
このことから、hearing someone talkは「誰かが話すのを聞く」という意味になります。
そして、talkの次にwasが来るので、hearingは動名詞で正しかったということがわかります。
そして、さらに読み進めるとexclusivelyという副詞(副詞は文の要素にならない)の後ろに a が来ています。
a は後ろに単数の名詞が必要ですので、名詞までが1つのかたまりだと考えます。
更に読み進めると、liveという語句がきます。
liveは、動詞と形容詞があります。今回は、前にaがあることから後ろの名詞を修飾する形容詞と考えます。
次にexperienceという名詞がきます。
このことから、a live experienceが1つのかたまりで「生の経験」という意味だとわかります。
今回は、be動詞の後ろに a live experienceがきているのでこれが補語(C)であることがわかります。
よって、この文は第3文型(S + V + C)であり「SはCです」という意味になります。
よって、今回の和訳は「それ以前は、誰かが話すのを聞くことはもっぱら生の経験でした」となります。
- <正解>
それ以前は、誰かが話すのを聞くことはもっぱら生の経験でした
今回は2019年の大阪大学の入試問題の一部を扱いました。
問題の難しさによらず「~ing」を素早く見極めることは重要です。
何度も繰り返して、どういった構文が1~4のどれに当たるのかを見極めることができるようになりましょう。
英文解釈を独学で勉強したい人は次の本がおすすめです。
「英文法はある程度理解したし英単語覚えた」
けど英文を読むことが出来ないという人は一度手に取ってみてください。