日々是英文解釈 No.4
大学入試問題やTOEIC等で出てくる英文をほぼ毎日1文ずつ解説していきます。
英語の学習において、「文法はある程度理解しているけど英文が読めない」ということはよくあります。
英文を読むためには、英文を読むための英文法の使い方を学ぶ必要があります。
また小学校や中学校では、英文を後ろから返って読むように教わったりします。
しかし、それでは時間がかかってしまいます。
基本的に、英文は前から一度読んで内容を理解できることが大事です。
前から読んで理解できるように、よくでてくる英文を毎日一文ずつ解説していきます。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の英文を訳しなさい。
The examples shown by the teacher were not clear.
今回は、過去分詞について解説します。
過去分詞の見極め
今回の問題を解くポイントは、過去分詞です。
過去分詞を使うのは以下の4つの場合です。
- 過去分詞
1 受動態(be動詞 + 過去分詞)
2 完了形(have/has/had + 過去分詞)
3 分詞
4 分詞構文
過去分詞をみたら、この4つのどれかだと考えてください。
そして、それぞれの可能性を1つずつつぶしていきます。
必ず「受動態だとするとbe動詞がないのでおかしい」など1つずつ考えるようにしてください。
それを繰り返すことで、1~4の英文がどんな形になっているのかが定着し素早くどれかを判断できるようになります。
次の例文を見てください。
<例文1>
English was spoken by many people.
(英語はたくさんの人に話されています。)
<例文1>は、be動詞の後ろに過去分詞が来ています。
この段階で、「1 受動態」だとわかります。
受動態は、主語が動作を受け「Sが~される」という意味になります。
続いて<例文2>について考えてみます。
<例文2>
I have lived there for three years.
(私はテニスをすることが好きです。)
<例文2>は、haveの後ろに過去分詞が来ています。
この段階で、「2 完了形」と判断します。
完了形については、詳しく完了形は何も完了していません!視点を考えれば理解できる!に書いています。
今回の文は、継続の意味を持つ完了形です。
<例文3>
The pot broken by Tom was expensive.
(Tomが壊した壺は高価でした。)
<例文3>は、The potという名詞の後ろに過去分詞が来ています。この段階で、「3 分詞」「4 分詞構文」の可能性があります。
分詞であれば前の名詞を修飾しておりthe potが主語ということになります。
そのため、後ろには動詞が来るはずです。
一方、分詞構文であればthe potが意味上の主語で副詞節をつくるため、後ろには文(主語 + 動詞)が来ます。
今回は、後ろにbe動詞であるwasが来ていることから今回は分詞と判断します。
分詞についてはまた詳しく書きたいと思います。
今回は分詞の1つの用法である後置修飾の例文を用いました。
最後に<例文4>を考えてみます。
<例文4>
Written in Old Japanese, the book was difficult for high school students.
(昔の日本語で書かれているため、その本は高校生にとっては難しかった。)
<例文5>では、先頭に過去分詞が来ています。
この段階で、「4 分詞構文」と判断します。
過去分詞で始まる分詞構文については、日々是英文法 No.27で扱っています。
今回の問題の訳し方と解答
前回書いたように英文を読む上では以下の二つがまず大切です。
- 最初に出てきた名詞を主語として考える
- 前置詞のついた名詞は主語になれない
まずは主語を探すことを意識して読み進めます。
今回の問題では、先頭にThe examplesがきています。
最初の名詞であるので、The examplesが主語だと考え読み進めます。
そして、名詞の次にshownという過去分詞が来ています。
さらにshownの後ろに動作主であるby the teacherがあります。
このことから、shown by the teacherがexamplesを後置修飾していると考えます。
更に読み進めると、be動詞であるwereが来ていることから、The examples shown by the teacherが一つのかたまりであるとわかります。
そして、The examplesが主語でwereが動詞であるという予測は正しかったと判断します
そして、wereの後ろに形容詞であるclearがありますのでこの文は「S + V + C」の第3文型であるとわかります。
(文型については、英文法の中で一番大事なのは文型!!文型からやり直そう!に書いています。)
- <正解>
先生が示した例は、鮮明ではなかった。
(先生によって示された例は、clearではなかった)
今回は英文を読むうえで大事な「過去分詞の見極め」について書きました。
何度も繰り返して、どういった構文が1~4のどれに当たるのかを見極めることができるようになりましょう。
英文解釈を独学で勉強したい人は次の本がおすすめです。
「英文法はある程度理解したし英単語覚えた」
けど英文を読むことが出来ないという人は一度手に取ってみてください。