日々是英文法 No.71
大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
( ) your help, I would not have made it.
1 It were not for
2 Were it not for
3 For it were not
4 Not it were for
この問題は、2019年青山学院大学の問題です。
受験生であれば、10秒以内に解いて欲しい問題です。
解答だけ見たい人はこちら
今回のポイント:If it were not for(If it had not been for)
今回の問題を解くポイントは、仮定法の特殊構文です。
仮定法については、日々是英文法 No.41に書いてあるので読んでみてください。
いままで仮定法には以下の4つについて書いてきました。
- 仮定法現在(これからのことを仮定)
- 仮定法過去(現在のことを仮定)
- 仮定法過去完了(過去のことを仮定)
- 仮定法未来(実現性の低いことを仮定)
今回は仮定法の特殊構文の1つについて書いていきます。
仮定法未来
仮定法にはいくつか特殊構文があります。
今回は「If it were not for ~(If it had not been for ~)」という形で、「~なければ(~がなかったら)」という意味になる構文について扱います。
- 仮定法の特殊構文:
仮定法過去:If it were not for ~「~がなければ」
仮定法過去完了:If it had not been for ~「~がなかったら」
<例文1>
(1) If it were not for your advice, I would fail.
= Were it not for your advice, I would fail.
もしあなたの助言がなければ、失敗しているだろう。
(2) If it had not been for your advice, I would have failed.
= Had it not been for your advice, I would have failed.
もしあなたの助言がなかったら、失敗していただろう。
(1)は、「あなたの助言がなければ」と現在のことを仮定している仮定法過去です。
仮定法過去は、現在の事実の反対のことを仮定します。
ですので実際には、「助言があったので失敗していない」ことになります。
(2)は、「あなたの助言がなかったら」と過去のことを仮定している仮定法過去完了です。
仮定法過去完了は、過去の事実と反対のことを仮定しています。
実際には、「助言があったので失敗しなかった」ことになります。
(1)(2)とも、倒置によりifを省略することが可能です。
今回の問題の解き方と解答
今回の問題では、( )から文が始まり、さらにI would not と2つの文が続きます。
接続詞がない文が2つ続いていること、また助動詞の過去形のwouldがあることから仮定法の倒置だと判断します。
この段階で、2 Were it not forだと判断します。
よって、正解は2 Were it not forとなります。
- <正解>
2 Were it not for
仮定法については、以前にも扱っていますので覗いてみてください。