日々是英文法 No.67
大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
( ) Ann learned how to ride a bicycle, she would not have had to go to school by bus.
1 Had
2 Should
3 Unless
4 Were
この問題は、2017年近畿大学の問題です。
受験生であれば、5秒以内に解いて欲しい問題です。
解答だけ見たい人はこちら
- 今回のポイント:仮定法(倒置)
- 今回の問題の解き方と解答
今回のポイント:仮定法(倒置)
今回の問題を解くポイントは、倒置を用いる仮定法です。
仮定法には以下の3つがあります。
- 仮定法現在(これからのことを仮定)
- 仮定法過去(現在のことを仮定)
- 仮定法過去完了(過去のことを仮定)
仮定法については、日々是英文法 No.41に書いてあるので読んでみてください。
今回は仮定法の中でも、倒置によるifを用いない仮定法についてです。
仮定法過去
仮定法過去は、「If ~ 過去形 ・・・, ~ 助動詞の過去形 動詞の原形.」という形になります。
仮定法過去では、現在の事実とは反対の事を仮定する際に用います。
助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。
- 仮定法過去:現在の事実とは反対のことを仮定
If ~ 過去形 ・・・, ~ 助動詞の過去形 動詞の原形.
次の例文を見てください。
<例文1>
If I were you, I would go there.
私があなたなら、そこに行くのになぁ。
<例文1>では、実際にはあなたではないことを「もしあなたであるなら」と仮定しています。
これを倒置によりifを用いない表記法があります。
<例文2>
Were I you, I would go there.
<例文2>のように、動詞であるwereを前に出すことでifを使わずに仮定法の表現をすることができます。
仮定法過去完了
仮定法過去完了は、「If ~ had 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + have 過去分詞.」という形になります。
仮定法過去完了は過去の事実とは反対のことを仮定する際に用います。
助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。
- 仮定法過去完了:過去の事実とは反対のことを仮定
If ~ had 過去分詞 ・・・, ~ 助動詞の過去形 + have 過去分詞.
<例文3>
If I had had enough money, I could have bought it.
もしお金があったら、それを買うことができたのに。
<例文3>では、実際にはお金がなかったから買うことができなかったことを「もしあの時お金があったらなぁ」と仮定しています。
これも先ほどと同じように倒置によりifを用いない表記法があります。
<例文4>
Had I had enough money, I could have bought it.
<例文4>のように、完了形を表すhadを前に出すことでifを使わずに仮定法の表現をすることができます。
このように仮定法は倒置によりifを省略することが可能です。
ただし、倒置で出てくるのは「were, had, should」であることがほとんどです。
- 倒置を用いる仮定法
were, had, shouldを前に出すことで、ifを省略できる
今回の問題の解き方と解答
今回の問題では、後半にwouldがあります。
この段階で仮定法を疑ってください。
仮定法であれば、( )Ann learnedと主語の後ろに動詞の過去分詞形があることから、1 Hadが正解だと判断できます。
念のため意味を考えてみると、後半は「彼女がバスで通学する必要はなかっただろう」という意味であり、前半は「自転車の乗り方を学んでいたら」となります。
このことから、意味を確認しても1 Hadが正解だと判断できます。
よって、正解は1 Hadとなります。
- <正解>
1 Had
仮定法については、以前にも扱っていますので覗いてみてください。