日々是英文法 No.60
大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
This book ( ) than that one.
1 cannot be sold easily
2 can sell easily
3 is sold no less easy
4 sells more easily
この問題は、2018年関西学院大学の問題です。
受験生であれば、10秒以内に解いて欲しい問題です。
解答だけ見たい人はこちら
- 今回のポイント:能動受動態
- 今回の問題の解き方と解答
今回のポイント:能動受動態
今回の問題を解くポイントは、能動受動態です。
能動受動態とは、で受動態の意味を表す能動態の文です。
わかりにくいのでまず能動態と受動態について説明します。
能動態と受動態
能動態とは、主語が動作を行っている文です。
<例文1>
能動態:They call him Tom.
彼らは彼をTomと読んでいます。
<例文1>では、主語である彼ら(They)が読んでいるという能動態の文になっています。
一方、受動態は主語が動作を受けている文になります。
<例文2>
受動態:He is called Tom by them.
彼は彼らによってTomと呼ばれている。
<例文2>では、主語である彼(He)が呼ばれているという受動態の文になっています。
受動態の文は、「be動詞 + 過去分詞」の形をしています。
- 能動態:主語が動作を行っている
- 受動態:主語が動作を受けている
能動受動態
今回のポイントである能動受動態は、能動態の形をしながら受動態の意味を示す文になります。
<例文3>
能動態:This book sell well
この本はよく売れる
<例文3>では、受動態のように「be動詞 + 過去分詞」の形ではなく文章自体は能動態の文です。
しかし、意味は「本が売っている」というような能動態ではなく、「本が売れている」という受動態の意味になっています。
このような文を能動受動態といいます。
これは、sellのように「売る」という他動詞だけでなく「売れている」という自動詞として働きを持っているからです。
このような動詞は他に、read, cut, feel等があります。
また、<例文3>は受動態にすると少し意味が異なります。
<例文4>
(1) 受動態:This book is sold well.
この本はうまく売られている。
(2) 能動態:They sell this book well.
彼らはこの本をうまく売っています。
<例文4>の(1)は、is soldとなっており受動態の文になります。
この受動態を能動態に下のが(2)になります。
(2)の文を見るとわかりやすいですが、この文は彼らが(頑張って)うまく売っているという意味になります。
ですので、(1)はこの本はうまく売られているという意味になります。
<例文3>は本がよくて勝手に売れており、<例文4>(2)は彼らが頑張って売っているというニュアンスになります。
今回の問題の解き方と解答
今回の問題では、後半にthan that oneとあります。
このことから比較級である3 is sold no less easy, 4 sells more easilyのどちらかだと判断できます。
easyは「簡単な」という意味の形容詞で、easilyは「簡単に」という副詞になります。
このことから正解は 4 sells more easilyだと判断してほしいところです。
ここで、3 is sold no less easyであれば受動態なのでno lessを外して能動態にしてみます。
能動態:They sell this book easy.
これが正しかったとすると、この文は第5文型でthis bookがeasyであるという意味になります。
これらの事から今回の正解は、4 sells more easilyということになります。
- <正解>
4 sells more easily
能動受動態については以下でも扱っています。