日々是英文法 No.32

大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。

是非毎日覗いてみてください。

次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
If I had not lost my file, I ( ) the job on time.
1 had finished
2 have finished
3 finished
4 would have finished

この問題は、2020年立命館の問題です。
受験生であれば、10秒以内に解いて欲しい問題です。

Contents

仮定法過去完了
今回の問題の解き方と解答

仮定法過去完了

今回の問題を解くポイントは、仮定法過去完了です。
す。
仮定法には以下の3つがあります。

仮定法現在（これからのことを仮定）
仮定法過去（現在のことを仮定）
仮定法過去完了（過去のことを仮定）

前回（日々是英文法 No.31]）仮定法過去について少し説明しました。
今回は、仮定法過去完了について簡単に書きたいと思います。
（仮定法についてはまた詳しく書きたいと思います。）

仮定法過去完了は過去の事実とは反対のことを仮定する際に用います。

仮定法過去完了は、「If ～ had 過去分詞・・・, ～　助動詞の過去形＋ have 過去分詞.」という形になります。
助動詞の過去形が仮定法を見極めるポイントになります。

仮定法過去完了：過去の事実とは反対のことを仮定
If ～ had 過去分詞・・・, ～　助動詞の過去形＋ have 過去分詞.

次の例文を見てください。

＜例文1＞
If I had had enough money, I could have bought it.
⇒ I didn’t have enough money, so I ccouldn’t buy it.
もしお金があったら、それを買うことができたのに。
⇒　実際にはお金がなかったから買うことができなかった。

＜例文1＞では、実際にはお金がなかったから買うことができなかったことを「もしあの時お金があったらなぁ」と仮定しています。
仮定法がでてきたら、実際は逆のことが起こっているということを意識しましょう。

今回の問題の解き方と解答

今回の問題では、( )の前が「もしfileを失くしていなかったら」と過去完了形になっています。
この時点で仮定法を考えるようにしましょう。
仮定法であれば、助動詞の過去形を用いるので 4 would have finishedが正解になります。

その場合、「fileを失くさなかったら、時間通りに仕事を終らせていただろうに」という意味になり正しいことがわかります。

では、それ以外の選択肢ではどうなるでしょうか。

1～3であれば、ifは直説法として使われていることになります。
ifが直説法が使われる際は、「現在（または過去）から将来にわたって起こるかもしれない（または起こらないかもしれない）」ことを示す際に使われます。
ですので、I had not lost my fileのように「失くしてしまった」という過去完了の文は適さないことになります。
過去完了については、完了形は何も完了していません！視点を考えれば理解できる！に詳しく書いてあります。

よって、今回は仮定法として使われている4 would have finished
が正解ということがわかります。