私が指導する際に伝えていることを参考にしてみてください!
水を蒸発・追加すると濃度はどうなる?
中学受験を乗り越えるうえで避けられないのが算数です。
算数を苦手とする小学生は多いです。
そんな親御さんも含め小学生でも理解できるように、問題の解き方を基本から解説しています。
前回までに、食塩水の問題でよく出る「濃度の考え方」「濃度からの食塩・水・食塩水の重さの出し方」、について書きました。
食塩水の問題は中学受験でよく出題されます。
今回は、「水を蒸発させる」「水を追加する」問題について解いていこうと思います。
水を蒸発させる(水を追加する)問題
<基礎問題5>
水100gに食塩10 gを混ぜた後、水を10g蒸発させました。何%の食塩水ができますか。
<基礎問題6>
食塩12 gを含んだ食塩水300 gに水を100 g加えると食塩水の濃度は何%になりますか。
今回は、この2つの問題を考えてみましょう。
では、まず<<基礎問題5>からです。
水を蒸発させた時の濃度を求める
水を蒸発させた食塩水の濃度について求めてみましょう。
水100gに食塩10 gを混ぜた後、水を10g蒸発させました。何%の食塩水ができますか。
まず、水を蒸発させる問題を解くうえでとても大切なことがあります。
これは必ず必要な考え方です。
この考え方を使えば、<基礎問題5>は<基礎問題1>と同じ解き方で解くことができます。
下の図を見てください。
今回は、食塩を10 g混ぜた後に水を10 g蒸発させました。
水を蒸発させても食塩の量は変わらないので、この問題は次のように考えることが出来ます。
食塩10gを含んだ食塩水100 gの濃度を求めなさい。
上の図の様に、全体量が100 gなので、100 g = 100となり、1 g = 1です。
よって、食塩10 g = 10となり、濃度は10 %ということになります。
<基礎問題5>は、<基礎問題1>と同様食塩の量と食塩水全体の量から濃度を求める問題でした。<基礎問題1>で扱いました。
続いて、水を加える問題について考えてみましょう。
水を加えた時の濃度を求める
食塩12 gを含んだ食塩水300 gに水を100 g加えると食塩水の濃度は何%になりますか。
この問題を解く上で大切な考えがあります。
水を蒸発させた時と同じで水を加えても食塩の量は変わりません。
<基礎問題6>も、この考え方さえ理解しておけば<基礎問題1>と同じ考え方になります。
次の図を見てください。
食塩水に水を加えると、食塩水全体の重さは変わりますが食塩の量は変わりません。
ですので、<基礎問題6>は次の問題と同じ考え方になります。
食塩を12 g含んだ食塩水400 gの濃度を求めなさい。
<基礎問題6>も<基礎問題5>と同様、<基礎問題1>と同じような考え方で解けます。
今回は全体量が400 gなので、400 g = 100となり、4 g = 1です。
よって、食塩12 g = 3となり、濃度は3 %ということになります。
今回は「水を蒸発させる」「水を加える」問題の基本的な考え方について書きました。
この「水を蒸発させる」または「水を加える」問題にはとても大切な考え方があります。
この考え方は必ず理解してください。
食塩の量が変わらないので食塩の量に注目して考えることも大切です。
そのことについてはまた次回以降書いていきたいと思います。
次回は、「食塩を加える」問題を扱います。
食塩水問題の基礎的な考え方はこちら↓