加えた食塩水の濃度を求めよう。
中学受験を乗り越えるうえで避けられないのが算数です。
算数を苦手とする小学生は多いです。
そんな親御さんも含め小学生でも理解できるように、問題の解き方を基本から解説しています。
前回までに、食塩水の問題を解くうえでの基本的な考え方について書きました。
濃度の出し方
食塩・水・食塩水の重さの出し方
水の蒸発追加による濃度変化
食塩を加えた解きの濃度変化
濃度の異なる食塩水を混ぜる
食塩水の問題は中学受験でよく出題されます。
今回からは、中学入試で出る標準的な問題の考え方・解き方について書いていこうと思います。
「加えた食塩水の濃度を求める問題」問題について、今回は書いていきたいと思います。
＜基本問題3＞
水2660 gに濃度のわからない食塩水880 gと食塩10 gを加えたら4%の食塩水ができました。加えた食塩水の濃度は何%ですか。
今回は、この問題を考えてみましょう。
加えた食塩水の濃度を求める問題の考え方
今回は、混ぜた後の濃度から加えた食塩水の濃度を求める問題を考えてみましょう。
水2660 gに濃度のわからない食塩水880 gと食塩10 gを加えたら4%の食塩水ができました。加えた食塩水の濃度は何%ですか。
では、この問題を次の図を見てどう考えていけばいいかを一緒に考えていきましょう。
加えた食塩水に溶けている食塩の重さを求める
今回は食塩水の濃度を求める問題です。
食塩水の濃度を求めるためには、「食塩水全体の重さ」と「溶けている食塩の重さ」が必要です。
加えた食塩水全体の重さは880 gと書かれていますので、「溶けている食塩の重さ」を求めることができれば濃度を出すことができます。
混合後の食塩水に溶けている食塩の重さを求める
では、どうやって加えた食塩水に溶けている食塩の重さを出せばいいでしょうか。
今回は食塩水と食塩10 gを加えて4%の食塩水ができています。
ですので、4%の食塩水に溶けている食塩の重さを求めることで加えた食塩水に溶けている食塩の重さを求めることができます。
混合後の食塩水全体の重さを求める。
混合後の食塩水の濃度は4%だと書かれています。
このことから、混合後の食塩水全体の重さを求めれば、溶けている食塩の重さを求めることができます。
ここまでをまとめると次のようになります。
1 加えた食塩水に溶けている食塩の重さを求める
2 4%の食塩水に溶けている食塩の重さを求める
3 4%の食塩水全体の重さを求める
では、この考え方にそって問題を解いていきましょう。
加えた食塩水の濃度を求める問題の解き方
問題を解くときは、先ほどの考え方の逆になります。
ですので、次のように解いていきます。
1 4%の食塩水全体の重さを求める
2 4%の食塩水に溶けている食塩の重さを求める
3 加えた食塩水に溶けている食塩の重さを求める
4 濃度を求める
では、この順に解いてみましょう。
混合後の食塩水全体の重さを求める。
混合後の食塩水全体の重さはどうやって求めるのでしょうか。
次の図を見てください。
4%の食塩水は、「水2660 g」「食塩水880 g」「食塩10 g」を加えて作られています。
このことから、混合後の食塩水全体の重さは$ 2660 + 880 + 10 = 3550 g $と求めることができます。
混合後の食塩水に溶けている食塩の重さを求める。
混合後の濃度は4%であり、食塩錐全体の重さは3550 gであることがわかりました。
これから、4%の食塩水に溶けている食塩の重さを求めましょう。
全体が3550 gなので、$ 100 = 3550 g $となり、$ 1 = 35.5 g $ということになります。
食塩水の濃度は4 %ですので、$ 4 = 142 g $となり、混合後の食塩水には142 gの食塩が含まれていたことになります。
加えた食塩水に溶けている食塩の重さを求める。
混合後の食塩水に溶けていた食塩の重さを求めることが出来ました。
では、加えた食塩水には何 gの食塩が溶けていたのでしょうか。
次の図を見てください。
今回は、水に食塩水と食塩を加えて4％の食塩水が作られています。
水に食塩は含まれていませんので、加えた食塩水に溶けている食塩と加えた食塩の足し算が142 gということになります。
ですので、加えた食塩水に溶けている食塩の重さは、$ 142 g – 10 g =132 g $ということがわかります。
濃度を求める
これで、加えた食塩水全体の重さと溶けている食塩の重さがわかったので濃度を求めることができます。
では、濃度を求めてみましょう。
ここまでの事をまとめると下の図の様になります。
この図から、＜基本問題2＞は次のような問題だったことがわかります。
食塩を132 g含む食塩水880 gは、何%の食塩水ですか。
ここまで来ると、後は＜基礎問題1＞と同じ考え方になります。
全体が880 gなので、$ 100 = 880 gとなり、$ 1 = 8.8 gということになります。
加えた食塩水に溶けている食塩の重さは132 gですので、$ 15 = 132 gとなり、加えた食塩水の濃度は15%ということになります。
15 %
今回は「加えた食塩水の濃度を求める問題」について考えました。
この問題を解くうえで大事なことは、 食塩の量 に注目することです。
<基礎問題1> ～ <基礎問題7>の考え方を用いて、それぞれの食塩の重さを算出することが今回の問題のポイントです。
食塩の重さと食塩水全体の重さを求めれば濃度を出すことができるとうことをしっかり意識しましょう。
次回は、「食塩水を捨てて水を加える問題」について考えていこうと思います。
食塩水問題の基礎的な考え方はこちら↓
