私が指導する際に伝えていることをまとめてみましょう。
『食塩水問題』に大切な濃度の考え方
中学受験を乗り越えるうえで避けられないのが算数です。
算数を苦手とする小学生はとても多いです。
あなたもご家庭で質問されて困ってませんか?
そんなあなたも含め小学生でも理解できるように、中学受験問題の解き方を基本から解説しています。
今回は、「食塩水の問題」について書いていきたいと思います。
食塩水の問題は中学受験でよく出題されます。
面積図や天秤図を使うなど食塩水の「解き方」は色々とあります。
解き方を覚えることで問題はある程度解けるようになります。
しかし、問題は解けるけど濃度についてはよくわかっていないということも多いです。
今回は、濃度という考え方を説明していきます。
濃度を求める問題
<基礎問題1>
水100gに食塩25gを溶かした食塩水の濃さを百分率で求めなさい。
今回は、この問題を考えてみましょう。
<考え方1> 濃度とは?
そもそも濃さとはどういうことでしょうか。
次の図を見てください。
上の2つの食塩水はどちらがしょっぱいでしょうか?
まず、しょっぱさは食塩の量で変わります。
今回は、水の量を同じにしていますので、食塩が多い方がしょっぱくなります。
つまり、Bのほうがしょっぱいということになります。
では、次の場合はどうでしょうか?
しょっぱさは、全体の量によっても変わります。
同じ量の食塩でも、とても多い量の水に溶かすよりも少量の水に溶かしたほうがしょっぱくなります。
今回は、食塩の量が同じなので全体の量が少ないAのほうがしょっぱいということになります。
では次の図の場合はどうでしょうか?
どうでしょうか?
食塩の量も全体の量も変わっているのでどちらがしょっぱいか一目ではわからないですね。
このときに用いるのが濃度という考え方です。
<考え方2>百分率とは
<考え方1>から、食塩水のしょっぱさは、「食塩の量」と「水の量」で変わるということがわかりました。
しかし、食塩の量も水の量も異なるときどっちが濃いのかがわからなくなります。
そこで用いるのが濃度という考え方で、濃度は百分率で出すことが一般的です。
百分率とは、
ではどういうことか見ていきましょう。
先ほどの図を見てください。
Aは水90 gに食塩10 gが溶けているので全体の重さは100 gです。
上の図の様に全体の重さを100としたときに、1にあたるのが1 gになります。
ですので食塩10 gは10ということになります。
この食塩の値を濃度と言い、10%と表します。
一方Bは、どうでしょうか?
水の量が450 gに食塩50 gが溶けているので全体は500 gになります。
全体を100としたとき、1にあたるのが5 gになります。
ですので、50 gは10ということになり、濃度は10%ということになります。
このことから、AとBの濃度は同じということになります。
全体の量を100に統一することで、一目で濃さ(しょっぱさ)がわかるようになります。
<考え方3>食塩水の濃度を求める
今回は、水100 gに食塩25 gを溶かしています。
ですので、食塩水全体の重さ125 gを100にしたときに、25 gがどれくらいになるかを考えます。
上の図からもわかるように、全体を100としたとき1に当たるのが1.25 gになります。
よって、25 gは20ということになるので、濃度は20 %になります。
全体を100としたときにどれくらい入っているかを示したのがは百分率
濃さを数値化したものが濃度
今回は、食塩水の基本的な考えである濃度について書きました。
次回は、食塩水の問題の解き方について書いていきたいと思います。