現在、過去となっていますが分詞に時制の意味はありません。
今回は、分詞ついて勉強してみましょう。
分詞(現在分詞・過去分詞)について
分詞とは
分詞には、現在分詞と過去分詞があります。
現在分詞は動詞の~ing形をした形容詞であり、過去分詞は過去形と同じ形のものが多いです。過去分詞は、不規則に変化するものも多く一つひとつ覚える必要があります。
ここで分詞には、現在、過去と名前がついていますが時制の違いはありません。
では、現在分詞と過去分詞ではどう違うのでしょうか。
現在分詞:~ing
過去分詞:多くは過去形と同じ。(異なるものは覚えるしかない)
※現在分詞と過去分詞に、現在と過去の意味はない
現在分詞と過去分詞の違い
次の例題を見てください。
<例題1> 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1, 2の中から選びなさい。
A pot ( ) by Tom was expensive.
(Tomが壊した壺は高価なものでした。)
1 breaking
2 broken
選択肢の 1 breakingは現在分詞、2 brokenは過去分詞です。
ここで、次のことを覚えておいてください。
<例題1>で 1 breakingを選ぶと「potが壊している」ことになり、2 brokenを選ぶと「potが壊されている」ということになります。
このように、現在分詞は修飾する名詞が動作をしており、過去分詞では修飾する名詞が動作を受けていることになります。
今回は、potが壊されているので 2 brokenが正解ということになります。
では、これら現在分詞と過去分詞の使い方について見ていきましょう。
現在分詞:修飾する名詞が動作している
過去分詞:修飾する名詞が動作されている
形容詞としての分詞
分詞は形容詞と同じような働きをします。
(1) the flying bird (飛んでいる鳥)
(2) the broken pot(壊れた壺)
<例文1>では、現在分詞も過去分詞も1語のみのときは形容詞と同じように前から名詞を修飾しています。
(1)では、修飾する名詞が動作をしている(鳥が飛んでいる)ため現在分詞を用います。
一方、(2)では修飾する名詞が動作されている(壺が壊されている)ため過去分詞を用いています。
一方、分詞は形容詞と異なり後ろから修飾(後置修飾)することがあります。
(1) the bird flying in the sky(空を飛んでいる鳥)
(2) the pot broken by Tom(トムによって壊された壺)
<例文2>(1)(2)では、名詞を後ろから修飾しています。
分詞は、2語以上のかたまりで名詞を修飾する際は名詞の後ろに置きます。
この場合でも、現在分詞では修飾する名詞が動作をしており(鳥が空を飛んでいる)、過去分詞では動作をされています(壺がトムによって壊されている)。
このように、分詞は形容詞と同じように名詞を修飾することができます。
a flying bird (飛んでいる鳥)
a bird flying in the sky(空を飛んでいる鳥)
⇒ a bird is flying (鳥が飛んでいる)
・過去分詞:修飾する名詞が動作をされている(受動)
a broken pot(壊れた壺)
a pot broken by Tom(トムによって壊された壺)
⇒ a pot is broken by Tom (壺がトムによって壊されている)
補語としての分詞
分詞は、形容詞と同じように補語として働くことがあります。
第2文型(S + V + C):「~しながら・・・する/~の状態で・・・する」
(1) He sat watching TV.
彼はテレビを見ながら座っている。
(2) They looked surprised at the news.
彼らはその知らせに驚いたように見えた。
<例文3>(1)(2)では、分詞が補語として働いています。
この場合は、動詞をしているときの状態を表します。
第2文型では、現在分詞は主語である彼が動作をしており(彼がテレビを見ている)、過去分詞は主語(彼ら)が動作をされている(彼らは知らせに驚かされている)ことを表しています。
第5文型(S + V + O + C)
(1) I heard her singing.
私は彼女が歌っているのを聞いた。
(2) I heard my name called.
私は名前が呼ばれるのを聞いた。
<例文4>では、分詞が第5文型の補語として働いています。
この場合は、目的語の状態を表します。
第5文型では、現在分詞は目的語が動作をしており(彼がテレビを見ている)、過去分詞は目的語である私の名前が動作をされている(彼らは知らせに驚かされている)ことを表しています。
<参考>分詞と原形不定詞の違い
(1) I heard her singing.
私は彼女が歌っているのを(一部)聞いた。
(2) I heard her sing.
私は彼女が歌うのを(初めから最後まで)聞いた
<例文5>(1)は先ほど<例文4>で用いた英文ですが、動詞に知覚動詞(hear)の過去形が用いられています。
知覚動詞の後ろには、<例文5>(2)のように原型不定詞を置くことができます。
<例文5>(1)(2)では、意味が少し異なります。
分詞を用いた<例文5>(1)では、歌っているところを通りかかり「一部」だけを聞いているイメージです。
<例文5>(2)では原形不定詞を用いており、歌っているところ「全部」聞いているイメージです。
付帯状況:with 名詞 分詞
受験やTOEICで英文を読んでいてよく見るのが「付帯状況」です。
(1) He looked at me with his eyes shining.
彼は目を輝かせた状態で私を見た
(2) She sat there with her eyes closed.
彼女は眼を閉じた状態でそこに座っていた
<例文6>(1)では、私を見ていたときの「状態」を表しています。
この時も、「目が輝いている」という関係ができているため現在分詞になります。
(2)では、座っていた時の「状態」をそれぞれ表しています。
この場合は、目が閉じられているため過去分詞になります。
「with 名詞 分詞」の形を見たら付帯状況を思い出すようにしてください。
まとめ
今回は、分詞について解説しました。
分詞では、現在分詞と過去分詞の違いをしっかり理解することが大切で。
分詞の演習問題はこちら↓