日々是英文法 No.83
大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。
是非毎日覗いてみてください。
- 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
The president sent letters ( ) passed the examination.
1 for whose
2 those who had
3 to those who
4 toward who
この問題は、2018立命館大学の問題です。
受験生であれば、5秒以内に解いて欲しい問題です。
解答だけ見たい人はこちら
- 今回のポイント:関係詞(前置詞+関係代名詞)
- 前置詞+関係代名詞
- 所有格
- 今回の問題の解き方と解答
今回のポイント:関係詞(前置詞+関係代名詞)
今回の問題を解くポイントは、関係詞です。
関係詞には大きく分けて「関係代名詞」「関係副詞」「複合関係詞」の3つあります。
今回用いられているのは、その中の「関係代名詞」です。
前置詞+関係代名詞
関係代名詞は、前置詞の後ろの目的語でも用いられます。
<例文1>
(1) This is a house.
(これは家です。)
(2) I lived in the house ten years ago.
(私はこの家に10年前住んでいました。)
<例文1>は、(1)で「これは家です」、(2)で「私はこの家に10年前に住んでいました。」と2つの文で表しています。
この(1)(2)を1つにして「これは私が10年前に住んでいた家です」と表してみましょう。
その文が次の<例文2>(1)(2)になります。
<例文2>
(1) This is a house which I lived in ten years ago.
(2) This is a house in which I lived ten years ago.
(これは私が10年前に住んでいた家です。)
<前置詞+関係代名詞の作り方>
① つなぎたい語句が「人」であるか「物」であるかを判断します。
今回はa houseですので物です。
② つなぎたい方の語句が主格、所有格、目的格のどれかを判断します。
今回は前置詞inの後ろの目的語として使われているので、「目的格」を用います。
①②から、用いる関係代名詞は「目的格のwhich」ということになります。
③ 関係代名詞をつなぎたい語句の後ろにおいて2つの文をつなぐ
こうしてできた文が<例文2>(1)になります。
ここで、(1)では関係代名詞だけが前に出てきてinは後ろに残っています。
ですので、関係代名詞の後ろは前置詞inの後ろの目的語がない不完全文になっています。
(1)では関係代名詞を省略することが可能です。
一方(2)では、関係代名詞がinと一緒に前に出てきています。
このように、目的格の関係代名詞が前置詞の後ろの目的語の代わりに用いられる際は、前置詞と一緒に前に出すことができます。
この場合、関係代名詞の後ろは完全文になります。
この前置詞を前に出したときは関係代名詞を省略することはできないので注意してください。
- 目的格の関係代名詞は前置詞と一緒に前に出ることがある
- 前置詞を前に出す時は関係代名詞は省略できない
所有格
所有格の関係代名詞は、whoseです。
先行詞が人、物どちらの時はwhoseを使います。
<例文3>
(1) I have a friend.
(2) His father is a doctor.
<例文3>は、(1)で「私には友達がいます」、(2)で「彼の父親は医者です」と2つの文で表しています。
この(1)(2)を1つの文にして「私には父親が医者である友達がいます」と表してみましょう。
その文が次の<例文4>になります。
<例文4>
I have a friend whose father is a doctor.
<所有格の作り方>
① つなぎたい語句が「人」であるか「物」であるかを判断します。
今回はa houseですので物です。
② つなぎたい方の語句が主格、所有格、目的格のどれかを判断します。
今回は所有格であるHisが使われているので、「所有格」を用います。
これらのことから、用いる関係代名詞は「所有格のwhose」ということになります。
③ 関係代名詞をつなぎたい語句の後ろにおいて2つの文をつなぐ
このとき関係代名詞だけでなく後ろの名詞と一緒に前に出します。
こうしてできた文が<例文4>になります。
この場合も関係代名詞の後ろには不完全文が来ます。
今回は、thoughtの後ろのthat節(thatは省略されている)内の主語がありません。
- 所有格の関係代名詞は名詞と一緒に前に出す
今回の問題の解き方と解答
今回の問題では、選択肢から関係代名詞の問題であることがわかります。
また( )の後をみると主語がない不完全文であることがわかります。
このことから、「前置詞+関係代名詞」の形である 1 for whose, 4 toward whoは不適であるため、2 those who had, 3 to those whoのどちらかに絞ることができます。
続いて、( )の前の文を考えます。2, 3の場合それぞれ以下のようになります。
2 The president sent letters those.
3 The president sent letters to those.
2 であれば「lettersにthose(人々)を送る」ことになり、3 であれば「those(人々)にlettersを送る」ことになります。
このことから、正解は 3 to those whoということになります。
- <正解>
3 to those who
関係詞については以下でも扱っていますので、のぞいてみてください。