<この記事でわかること>
受動態の基本構造
受動態の作り方
受動態とは
受動態とは、動作を受けるものが主語になり「~される」「~されている」の意味になります。
次の例文を見てください。
<例文1>能動態
She read the book.
(彼女は本を読んでいます。)
<例文1>は、主語であるSheが動作の主体者であり、彼女が読んでいます。
このように主語が動作主である文を能動態といいます。
<例文2>受動態
The book was read by her.
(その本は彼女によって読まれています。)
一方、<例文2>は、主語であるThe bookが動作を受けており、本は読まれています。
このように主語が動作を受けている文を受動態と言います。
主語が動作を行っているのか、主語が動作を受けているのかが受動態の見極めのポイントになります。
能動態:主語が動作を行っている
受動態:主語が動作を受けている
受動態の構造
受動態は、能動態の目的語を主語にします。
ですので受動態にできるのは、第3文型(S + V + O)、第4文型(S + V + O1 + O2)、第5文型(S + V + O + C)の文になります。
また受動態では、能動態の動詞を「be動詞 + 過去分詞」の形にした文になります。
S(動作を受ける) + be動詞 + 過去分詞
受動態の作り方
受動態の基本的な作り方は次の様になります。
① 能動態の目的語を主語にする
② 能動態の動詞を、「be動詞 + 過去分詞」に変換します
③ 能動態の主語を、by + 目的語の形に変形し文尾に付けます
第3文型~第5文型の構文をどのように受動態にするかを見ていきましょう。
第3文型(S + V + O)
<例文3>
能動態:She read the book.
受動態:The book was read by her.
①まず能動態の目的語であるthe bookを先頭に出し主語にします
②続いて動詞のreadを、「be動詞 + 過去分詞」の形was readにする。
ここで、readは原形、過去形、過去分詞も同じ形をしています(発音は違います)。
ですが現在形であれば、主語がshe(三人称単数)であるのでreadsになるはずです。
ですので、今回のreadは過去形であることがわかります。
③最後に能動態の主語を、by + her変更して後ろにつけます。
このbyは動詞によって違う前置詞を用いることもあります。
第4文型(S + V + O1 + O2)
第4文型では、目的語が2つあります。
ですので、二種類の受動態を作ることが可能です。
<例文4>
能動態 :She gave me two books.
受動態1:I was given two books by her.
受動態2:Two books were given (to) me by her.
<例文4>の受動態1はO1を主語にした場合の文です。
①O1はmeですので、主格のIにして主語にします。
②gaveは過去形ですので、be動詞はwasになります。
③能動態の主語であるsheを、by herに変更して受動態の完成です。
一方、受動態2はtwo booksを主語にした文になります。
①O2であるtwo booksを主語にします。
②two booksは複数形ですので、be動詞はwereを使います。
③先ほどと同じように、by herを後ろにつけて完成です。
ここで、受動態2ではtoを入る場合があります。
これは能動態の文が少し変わっているからです。
次の文を見てください。
<例文5>
能動態(第4文型):She gave me two books.
能動態(第3文型):She gave two books to me.
受動態:Two books were given to me by her.
第4文型は第3文型に書き換えることが可能です。
この第3文型に変換するときに、meの前にtoがつきます。
(前置詞は動詞によって変わります。)
これがtoがある場合の変形です。
第5文型(S + V + O + C)
第5文型は、目的語が1つなので受動態は1つです。
> <例文6>
能動態:They call him Tom.
受動態:He is called Tom (by them).
①目的語はhimですので、受動態の主語はHeになります。
②動詞はcallと現在形なので、be動詞はisを用います。
③theyをby themに変形して最後につけます。
このときtheyは一般的な人を指しているので省略されることがあります。
theyやpeopleなど一般的な人や、誰がか明確な場合はby以下を省略することがありますので覚えておいてください。
ここで、Tomを主語にして作った受動態を作る人がいます。
Tomは「目的語」ではないのでTomを主語にした受動態はできないので注意してください。
S + V + that節の受動態
第3文型の目的語にthat節を用いた文を受動態にするときは注意が必要です。
that節が目的語の用いられているときは、受動態の主語に「that節自体」「that節内の主語」を用いる2種類の受動態があります。
<例文7>
能動態 :They say that he is the best player.
受動態1:It is said that he is the best player (by them).
受動態2:He is said to be the bset player (by them).
that節を主語
受動態1は、that節を主語にしています。
①能動態の目的語がthat節になっているので、that節を主語にします。
②that節は単数扱いになるので、be動詞にはisを使います。
③theyをby themに変形して最後につけます。
しかし、they一般的な人のことを言っているのでby themは省略されます。
ここで、that節を主語にすると主語が長くなってしまうので形式主語のitを用いることが多いです。
真主語であるthat節はを後ろに置かれます。
that節内の主語を受動態の主語にする
受動態2では、能動態のthat節の主語を主語に用いています。
①能動態のthat節内の主語であるheを主語にします。
②主語がHeになるので、be動詞はisを用います。
③that節内の主語を用いる場合は、後ろは不定詞にします。
不定詞の動詞は、that節内の動詞を用います。
④能動態の主語theyを、by themに変形して最後につけます。
先ほど同様by themは省略されます。
ここで注意が必要なのは、「人 is said that節」という形は存在しません。
しかし「彼はbest playerだと言われています」を英作文すると、
「He is said that he is the best player.」と書く人がとても多いです。
「S say 人 that節」という形が作れないので、「人 is said that節」という形は存在しないことをしっかり覚えてください。
群動詞の受動態
群動詞とは、take care of(世話をする)等のように複数の語句で1つの意味を作る動詞のことです。
群動詞の使われている能動態の文を受動態にする時は、群動詞を1つの動詞としてみなします。
<例文8>
能動態:The nurse took care of the child.
受動態:The child was taken care of by the nurse.
①took care of を1つの動詞だとみなすと、the childが目的語になります。
ですので、このthe childを受動態の主語にします。
②the childが主語なので、be動詞はwasを使いtookを過去分詞にしてtaken care of とします。
③the nurseを、by the nurseにして完成です。
このとき、of byと前置詞が2つ続きますがこれで間違いではありません。
受動態の時制
受動態の時制は、be動詞の時制と同じになります。
疑問文や否定文の作り方はbe動詞と同じです。
現在 | am[are, is] + 過去分詞 |
---|---|
過去 | was[were] + 過去分詞 |
進行形 | be動詞 + being + 過去分詞 |
未来 | will + be + 過去分詞 |
助動詞 | 助動詞 + be + 過去分詞 |
完了形 | have[has, had] + been + 過去分詞 |
まとめ
今回は受動態の内容を書きました。
受動態は文法問題ででるだけでなく、長文を理解するうえでも大切な項目ですのでしっかり理解しておきましょう。
最後に、受動態の演習問題がありますので、一度解いてみてください。
受動態の演習問題はこちら↓